忘れもしないミスユニバース全国大会の前夜祭。
最年少19歳で大会に臨んだ私は、他の地区代表のお姉様たちの美しさに圧倒され、着なれないロングドレスの裾は踏んじゃうし、笑顔も不自然だしで、なんとなく前向きになれずにいました。
せめて、あと1年、納得いくまで自分を磨いてから出れば良かった…
あ〜、ウエストにもう少しくびれが欲しかった…
そんなこと考えてみたり…
だって、オリンピックのように4年後っていうのはないんですもの…
ところが、ある老紳士の一言で、私は「緊張」という鎖から解放されました。
その方がおっしゃるには
「長年ミスユニの大会を観てきて、今まで1度も予想が外れたことがない」
そして、小声で、
「明日はあなたが代表に選ばれますよ、あなたにはかつて見たことがないオーラがある」
「あの方は、毎年、誰にでもそうおっしゃるのよ!」
と後日スタッフが言ってましたっけ…
さらに私の「大丈夫感覚」を強くしてくれた言葉がありました。
「今日の絵里ちゃん、最高よ!堂々としていてビックリしたわ。私の自慢の娘よ!嬉しいわ」
母の言葉でした。
決して堂々となんてしていなかったし、失敗もしたのに、母の優しい微笑みと、母の言葉が「不安」という文字を完全に消してくれたのだと思います。
もし、あの時、「もう少し堂々とできるといいわね〜」とか「もっと自然に笑えるといいわね」なんて言われていたら、逆に緊張が増して、当日あんなふうに楽しめなかったかもしれません。
人は、どうして緊張するかというと、自分をよく見せようとするからです。
自信がないので「あるがままではいけない」というサインを自分で勝手に作り出してしまっているからなのだそうです。
何を言いたいかというと「全く根拠の無い褒め言葉」であったとしても素直に受け入れられたら大きな効力を発揮するということです。
それほどまでに、言葉によるプラスのストロークって大切なんですね。
今は天国からいつも見守ってくれている母。
大会当日、母が着ていた花柄のワンピースと、その時持たせてくれた手編みのポーチだけは大切にとってあります。
手作り好きは、母譲りなんでしょうね。
atelier EMA を通して、2人の娘たちにも手作りの素晴らしさを伝えたいと思っています。
さて、この度、chère、二子玉川日和、atelier EMAとコラボで素敵なポーチを作りました。
幸運をもたらす2つの四つ葉クローバーが可愛く揺れる、ブルーグリーン色のキラキラ・ルンルン・ポーチ「nicobi pouch」。
ご自身のために、大切なお友達のために、お世話になった方々のために、そして、愛するお母様のために。
最後にひとつこのお話を…
ある知的障害の女性が父を失い、母も病弱という理由で施設で生活していました。
ちょうどお金の価値について学んでいる時でした。
先生が1円〜500円硬貨を並べ、
「一番高価なお金はどれ?」と聞くと
「これ」と10円を指すのだそうです。
「500円が一番高価なのよ」と何度教えても彼女は10円を指すのだそうです。
「どうして?」と尋ねると
「これを電話に入れるとお母さんの声が聴こえるから」
高いとか安いとかを超えた彼女にとっての価値観…
「being」=「存在」の大切さを改めて認識させられる素敵なお話ですよね。
その「素敵な存在」である娘を2人も与えてくださった神様に心から感謝します!
2014年3月13日
世田谷区出身&在住。1982年ミス・ユニバース・ジャパン(世界大会出場)。国際C級ライセンス取得後、レーシングドライバーとなる。結婚後、2人の娘の母に。2003年よりatelier EMA主宰。TCSにてカウンセリングを学び、メンタルサポーター、ビューティーカウンセラー、メディカルアロマ&小顔骨気セラピストなどの資格を取得。Simon Chorus 団員。