(文:O編集部員)
お腹がなる前にランチしよう。
と会社を飛び出したものの、う〜ん、どこにしよ……
チチカフェはまったりできるよ、という編集長の言葉を思い出した。
いろんな締め切りに追われて、ちょっと最近疲れ気味。
チチカフェ行ってみよ。
多摩川沿いをてくてく歩く。
てくてく、てくてく。
あった、あった、打放しのコンクリートの建物。
通り一面に大きなガラス。
スタイリッシュなカフェという感じだけど、なんとなくのどかな感じもする。
空が広いからだろうか。
喧騒を忘れ、自然を感じることができる。
入り口に迷っていると、口髭を生やした店員が「こっち、こっち」と指でドアを示した。
あ、そっちね(てへっ)
足早にドアに向かったけれど、今度は開け方が分からない。
すかさず店員が走ってきて、ガラス扉を横にスライドさせた……
「ランチのご利用でよろしいですか?」
「ええ」
入口近くのテーブル席に座り、気持ちを落ち着かせる。
こぢんまりとした空間だが、通り一面の大きなガラスが外と繋がっているようで開放的だ。
ガラス越しから多摩川に広がる気持ちのよい空を眺めることができる。
店内のコンクリートは、オフホワイトに塗られ、冷ややかな感じはしない。
オレンジ色の照明が暖かさを感じさせる。
カウンター、二人席、六人掛けのソファ席、テラス席もある。
テラス席に座って、のんびりビールもいいなあ。
隣のソファ席に二人の客が座っていた。
常連だろうか、店員と親しげに「あのヒートテック」について話している。
「あのヒートテック」がどのようなヒートテックなのか気になった。
「隠れ家に集合ね」と電話で話す女性の声が聞こえた。
ガラス越しに広がる空を眺めながら、のどかだなあ、と思った。
さきほどの店員がメニューを持ってきた。
まだ残る恥ずかしさを必死に隠しながらメニューを受け取る。
「あの、テラスに移動してもいいですか?」
「どうぞ、どうぞ」と店員が微笑む。
ドーンと青い空。
気持いい!
ランチメニューは全て1000円。おこさまランチプレートは700円。
肉、魚、野菜、和風ドライカレーの4種類から選ぶことができる。
数秒思案し、ドライカレーを注文。
メニューには「お味噌の入った和風カレーです。辛くないのでお子様でも食べられます」と書かれていた。
お味噌のカレーか、面白そう。
前菜サラダは、シャキシャキ、新鮮。
ドレッシングは、ほどよい甘みの中に、ほんのりスパイシー。
さっぱりしていてフォークがすすむ。
若い爽やかな男性店員がドライカレーを運んできた。
ドライカレーの上に目玉焼き。
大根と人参のピクルスが添えられている。
ひとくち、パクリ。
味噌の風味が、なるほどうまい。
くるみがカリッと良い食感。
パクリ、パクリ、とまらない。
目玉焼きを割ってみる。
黄身がとろ〜り流れ出た。
目を閉じ、半熟を味わう。
カレーと一緒にパックンチョ。
マイルドな甘さが舌に広がる。
くるみと一緒にパックンチョ。
香ばしさが口に広がる。
パックン、パックン、パックンチョで、あっという間の完食。
お腹いっぱい、大満足。
しばし、ぼ〜っとしながら、流れる雲を眺める。
店内から聞こえる会話も心地よい。
時間がゆっくり流れている。
もうちょっとこの時間を楽しみたいなと、オレンジジュース(200円)と焦がしバター塩キャラメルのアイスクリーム(300円)を頼む。
濃厚なキャラメルの風味が口いっぱいに広がる。うまい!
くるみの食感もたまらない。
そういえば、編集長が言ってたな。
「夏の夕暮れにそこでぼんやりするのが好きでさ、ビールを飲みながら夕陽を眺めていると、段々溶けていくんだよ、抜け殻になっていくんだよ。抜け殻になりながら、ああ、二子玉川日和だなあって思うんだよね」
オレンジジュースを飲みながら、二子玉川の空を見る。
ああ、二子玉川日和だなあ。
さて、午後も頑張ろ!
2015年1月29日