3歳といえば、いろんなことに興味を持つお年頃。
こころもからだもぐんぐん発達していて、できることや分かることがどんどん増えている時期です。
起きている間じゅう、「なんで?」「どうして?」「あれはなに?」となんにでも興味津々。
通称、「なぜなぜ攻撃」もしくは「なんでなんで攻撃」。
質問の内容によっては禅問答みたいになることもしばしばです。
ちょっと前にうちでこんな会話がありました。
日本人なら誰でも知ってる「ももたろう」を読み聞かせしていた時のこと。
わたし「あるところにおじいさんとおばあさんがいました」
ムスコ「なんで?」
わたし「そこにお家があるからだよ」
ムスコ「なんで?」
わたし「…住むのにいいところだったんじゃない」
ムスコ「なんで?」
わたし「……お日様があたって、気持ちいいんじゃないかなー」
ムスコ「ふーん」
わたし「…次いくね。おじいさんは山へ芝刈りに、おばあさんは川へ洗濯に行きました」
ムスコ「なんで?」
わたし「…仕事だから」
ムスコ「しごとってなに?」
わたし「……えっと…生きるために…しなきゃいけない…こと…かな」
ムスコ「(よくわからないらしく無視)」
わたし「……次いくよ。おばあさんが洗濯をしていると大きな桃が流れてきました」
ムスコ「なんで?」
あああ、うまく説明できない。
これに答え続けるの、ツライ。
とにかくすべてに「なんで」「どうして」って思ってる。
そしてどうやら、「3歳児なりに納得できる答えが欲しい」みたいなんだよね。
そこにお家があるのは「住みやすいから」ではなく「気持ちいいから住んでいる」方が納得できるらしい。
それにハマらないと禅問答になるっぽい。
いやそんな、3歳児が納得できる回答なんてわかんないから!
答えがある質問だったとしても、3歳児が納得できるように分かりやすく説明するのってけっこう難しいんだよね。
例えば、「どうしておそらはあおいの?」とか「なんでおつきさまがついてくるの?」とかは、説明しようと思えばできる。
でも、3歳児に理解できる説明の仕方って??
それって難しいし、考えるのが煩わしくて「あーめんどくさ」ってなるのよ。
先日、台風が来ましたね。
台風情報を見ようと、普段あまり見ないテレビをつけたら案の定、質問攻め。
ムスコ「あれはなに?」
わたし「台風だよ」
ムスコ「たいふうってなに?」
わたし「…えーと、大きな風の渦がきて、雨が降ったり風が吹いたりする」
ムスコ「うずってなに?」
わたし「…えーと、水とか空気とかが、ぐるぐるってなってんの」
ムスコ「どうして?」
わたし「…」
どうして渦が形成されるかって?
いやそんなん説明できねーし、だいたい、調べて「流体中で、質的に異なった二つのものが接触するときに渦が形成される(Wikipediaより引用)んだよ」
とか言っても、あなたにはわかんないじゃないですかー!
ムスコ「(避難所の映像を見て)あそこなに?」
わたし「避難所。お家にいると危ないからみんなで集まってるの」
ムスコ「ひなんじょってなに?」
わたし「安全なところだよ」
ムスコ「あんぜんなところってどこ?」
わたし「…」
もうこの辺でわたしギブアップ。
もう聞かないで面倒くさい…ってオーラを出しまくっていたら、オットが見かねてバトンタッチしてくれました。
オット「安全なところっていうのは場合によって変わる。考えてごらん、雨がたくさん降ったら、どこが安全?」
ムスコ「(真剣に考える)わからない…」
オット「雨がたくさん降ったら、川の水が増えて大きくなるよね。川から水があふれて流されちゃうかもしれない。そしたら、川から離れる。多摩川から離れるんだよ」
ムスコ「かわのみじゅがおおきくなるからー、たまがわからはなれる!(復唱)」
オット「正解!じゃあ、火事になったら、どこが安全?」
ムスコ「かじになったらー、だんごむしになって※せんせいのいうことをきく!」
(※「だんごむしになる」は床に丸まって小さく身をかがめること。保育園で避難訓練があり、背を低くして先生の指示に従うと習ったらしいw)
オット「正解!すごいじゃん。じゃあ、地震がきたら?」
ムスコ「だんごむしになってー、つくえのしたにいく!」
オット「正解!わかった?場合によって安全なところは変わるんだよ」
ムスコ「わかった!」
わかったんかーい!
ニコニコして、納得してるー!
しかも、ついでに災害時の安全教育までしたー!!
3歳に分かりやすく、なんて気を遣わなくてよかったんだわ。
相手が欲しい情報を、年齢とか気にせず提供してよかったんだわ。
ムスコも、お父さんが真剣に向き合って説明してくれるから超マジメに聞いてて、傍から見てて面白かったよ。
まあなんていうか、アレだ。
3歳は3歳なりに真剣にいろいろ疑問がある。
それに真剣に応えて欲しんだよね、きっと。
一応最後にちゃんとしたこと書いておくと、この頃の質問攻撃の正しい対処法は、質問を笑ったり、ごまかしたり後回しにしたり、適当に答えたりせず、自分の分かる範囲できちんと回答し、分からなければ一緒に調べるのが良いそうです。
うん、面倒くさい。
2014年7月12日
二子玉川在住の某大学キャリアカウンセラー(JCDA認定CDA)。あらゆる世代の女性の就労支援がテーマ。二子玉川育ちの家事上手なオットとマイペースで自由人なムスコと3人で二子玉川ライフを満喫中。