急速に秋が深まって参りました。
この数日でぐっと冬に近づいた感じですね。
みなさんは、このスピードについて行けていますか?
例年になく季節変化が激しい今シーズンでは、血行や循環、代謝に関わる大事な調整機能、自律神経のバランスが乱れやすくなることが心配です。
いかに上手く、季節にからだを合わせていくかがポイントになりそうです。
夏のあいだ、シャワーが定番だった方も、バスタブにお湯をはって、充分に温まる入浴法に変えてみましょう。
…と、もう言わずとも、寒さを感じ始めたからだは自然と熱いお風呂が恋しくなって、気持ちよく感じられるから不思議ですね。
さて、気持ちいいと言えば、気持ちよさがもたらすパワーが本日のテーマ。
日々施っているトリートメントの中でも、気持ちよさの追及は永遠のテーマと言えます。
実際、お部屋の空間演出から室温調整、香りやオイル、クリームなどのテクスチャーに至るまで、その効用はもちろんですが、心地良さもまた、とても大切なことなのです。
たとえば、好きな音楽を聞いて感動したり、美しい景色にうっとりしたり。
それと同じように、ハーブオイルの香りやマッサージの感触に気持ちいいと感じた瞬間、その刺激は脳へ伝わり、深いリラックス状態へと導いてくれます。
そこでエネルギーの源、快感ホルモンの登場です。
快感ホルモンは心地よさを感じると分泌され、幸福な気分をもたらしてくれます。
そして、からだには、さまざまな影響が…。
ホルモンバランスはもちろん、血液、リンパの流れ、新陳代謝を活発にして、栄養の吸収や老廃物の排出をスムーズにしてくれたり、免疫力や抵抗力をあげて、健康をキープする助けにもなり。
そして何と言っても、みなさんの大敵、色々なストレスと闘ってくれるのです。
ストレスはご存知の通り、からだの抵抗力や免疫力を下げ、からだのいろいろな不調の原因や、エイジングスピードを早めてしまうという説もあります。
ストレスが老化を早めるなんて、こわいですね。
ひとことでストレスと言っても、その要因はたくさんありますし(今年の様な変化の激しい気候も立派なストレスです)ストレスフリーの生活を目指すのは、どう考えても到底無理ですよね。
ということなら、ストレスを避けて通ることより、気持いい時間をせっせと増やしてリラックス。
快感ホルモンの力をどんどん借りて、ストレスからからだを守ってあげてはいかがでしょうか。
まだまだ未知数、脳の可能性を試してみましょう。
さぁ、今年もあとわずか。
次回は今年の締めくくりに何をする??というお話をしようと思います。
今日は快感ホルモンとも関係の深い、大切なからだのコントローラー、自律神経について、もう少しお話します。美容でも健康に美しく…という視点でからだを考える時、自律神経のバランスについては、よくとりあげられます。
自律神経は自ら意識して動かすことのできない神経で、体温や呼吸、発汗、血圧、胃腸などの働きを支配しているからだを維持するための大切な調整機能です。
交感神経は一般的には昼間、仕事や活動的に過ごしている時に働いて、その時、副交感神経の働きは低下しています。神経を興奮させて、筋肉は硬く、血管は収縮、血圧を上昇させ、呼吸は速くなる傾向です。まさに緊張の神経。
一方で、夜に向かい休息状態に入っていくと、交感神経は鎮まり、リラックスの基となる副交感神経の働きが優位に変化します。そして、交感神経とは対照的に神経を落ち着かせ、筋肉は緩みます。血管を広げることで血行をスムーズにして、心臓の鼓動はゆったりと動き、血圧も下がります。また、消化、吸収に関わる胃腸の働きも活発になっています。
こうして、交感神経と副交感神経、互いに正反対な働きでバランスをとっていますが、忙し過ぎたり、過剰なストレスがかかると、交感神経が優位になり過ぎ、緊張続きで副交感神経の出番が減ってしまう…という訳です。
こうして自律神経のメカニズムを考えてみると、どのように暮らすことが心やからだにとってやさしいのか、わかるような気がしますね。
忙し過ぎて、お家でも時間に追われ、なかなか緊張状態から開放されにくい生活の中で、夜になって脳もからだも休みたいのに、気分的にちっともリラックスできない!という時は、副交感神経優位に切り替わるような工夫をしてみましょう。
好きなアロマオイルを部屋で焚いてみる。筋肉がこわばって、こりを感じたら軽くマッサージしたり温めたり…。脚が冷えていたら、ソルト入りの足湯をするとか。また好きなハーブティーでほっこりするのもいいですね。
サロントリートメントでリラクゼーションを追求するのも、みなさんを休息状態に導き、副交感神経をしっかり働かせるということが、とても重要だから。そのヒントを、お家でのセルフケアにも是非取り入れてみてください!
2013年11月19日
美容のお仕事ひと筋、二十数年。トータル・ビューティ・ディレクター、エステティシャンとして婦人科や皮膚科の医師とともに、女性特有の体の周期に合わせたメニュー開発を行うなど、医学や心理学も取り入れながら女性の美と健康を追求し、心と体の両面から女性の年齢に合わせたエステを数多く提案。現在、フリー。『セルフマッサージ・レシピ 〜 あなたの美しさを引き出す究極のエステ』監修。