あの後、Kさんは突如ひらめいたアイデアを一通りFに伝えるとにこにこと旨そうにビールを飲み、酔っ払い、スターウォーズとガンダムと巨人と水曜どうでしょうの話をし、私もKさんの話を膨らませようと「ドムはかっこいいですよね」と言ったらスルーされ、「ジオング」の話をしたら「違います!」と周囲が驚くほどの大声で言われ、Kさんはビールの残りを一気に飲み干すとシャキッと突っ立ち「帰ります!」と夜の二子玉川商店街を走って行ってしまった。
だるま屋ウイリー事件ってなんですか?と訊いた時のKさんの驚いた顔がまだ目に焼きついている。
Kさんが歌っていた「ニャンさんの歌」が頭の中でループしていた。
ベアナーム、ホーチミン、ベアナーム、ホーチミン・・・
お店を出て、二子玉川商店街を歩いた。
「彼女はジョガーなんだよ。走って府中まで帰ろうとしたんじゃないかな」とF。
「府中まで!?」と私。
「彼女なら走れる距離だよ」
「あのまま走って帰ったのか!?」
「それはないだろ、さすがに酔ってたし」
「いや〜、わからんぞ、夜だし危険だな〜」
「じゃ、LINEで確認するか」
(ちゃんと電車に乗れましたか?)とF。
(熊がボールに乗っているスタンプ)がKさんから届いた。
「これはどういう意味だろ?」とF。
「乗っているという意味じゃないかな」と私。
今回の記事を公開するにあたって事前に編集FはKさんに掲載OKか確認した。
以下LINEのやり取り。
(先日のテカテカピンクの戦隊ヒーローでは大変失礼いたしました。ヒーローではなくヒロインでしたね。ところで今回のらじめの記事ですがいかがでしょうか)とF。
Kさんからすぐに返答があった。
(熊がウサギの耳を鷲掴みにしているスタンプ)が届き、続けて(熊がウサギに膝蹴りをするスタンプ)が届いた。
そのあとしばらくして(熊がボールに乗っているスタンプ)が届いたという。
この(熊がボールに乗っているスタンプ)はKさんにとって「Yes」という意味なのかもしれないとFから連絡があった。
(次のおはなし →)
2014年7月7日
ライター。酒好き。O型。めがね。