一番好きな食べ物は、と訊かれたら迷わずに「桃」と応える。
はっきりいつから、とは覚えていないけれど頭の中に「桃の一生」というストーリーが頭の中にある。
桃は、まだ未熟なうちに摘み取られ、市場へ送られる。
市場の価値として、まだ固くて青いのが高く評価されている。
時間が経ち、熟してくると、芳香を放ち自ら甘くなってきたことを他者にを知らせようとする。
でも、青果売り場では熟してくるにつれおつとめ品となり価格が下がっていく。
生で食べるのに一番いい状態を見極めて、それをいただくのがベスト。
もし、いい出会いがかなわず、熟しすぎてしまった桃はジュースやコンポートにすればまだ甘さを楽しめるのでは?
コンポートが余ったら、さらに煮詰めてジャムにしてみたらどうかしら?
ある日こんなことを考えていたら、もしかして人間も同じなのではないか、と思った。
フレッシュな時は固くて、味はいまいちだけど、市場価値は高い。
甘く熟してくる頃、いい匂いがしはじめて、触り心地も柔らかくスムーズになってくる。
完熟を越える頃、少しルックスに自信がなくなって。。。
大切なことは、市場価値がすべてと思わずに、自分自身の熟成に敏感でいること。
そしてそれをどう表現するかっていうこと。
2014年8月5日
東京生まれ。ウェブサイト「fringe」を運営。『anan』『nonno』を読んでた小学生、中学生で『popeye』が創刊、『JJ』を片手に高校を卒業すると世は空前の「女子大生」ブーム。バブル期には広告業界、雑誌業界でお花やインテリアのスタイリスト。その後カリスマ美容師ブームの中、美容室業界へ。20年働いた原宿の美容室のマネージャーを2013年に卒業。時代の勢いにのり、人に助けられ、あふれる情報の中、いつも『おいしい』トコをいただいてきた私。これからの自分にとってホントに欲しいものって何だろう?と探しはじめたところです。過去のインタビュー記事はこちら。