皆様こんにちは!
あっという間に新しい年がスタートした、と思ったらもう2月になっちゃいました・・・
早いですね!!
2月と言えばバレンタイン♪
今年も色々なチョコレートが登場してますね。
と言うわけで、今回は「チョコレート」!
とも思いましたが、この時期、疲れた時にいただくこの1杯「ショコラショー」のお話をしたいと思います。
「ショコラショー」とは簡単に言うと「ホットチョコレート」のこと。
チョコレートには4,000年の歴史がありますが、今のように「食べる」形になったのは、ここ100年ほどのことで、それまでは「飲む」物だったんです。
チョコレートの原料のカカオはメキシコなど中央アメリカが原産となりますが、それをスペイン人が持ち帰ったのが最初になります。
チョコレートという言葉の語源はスペイン語のチョコラテ(Chocolate)の英語読み。
では、チョコラテとはどんな意味?
これには諸説あり、ハッキリはしていないようですが、先住メキシコ人の言葉「xocolatl」(ショコラトル)が変化したと言われています。
「xocolli」(苦い)+「atl」(水)。
そう。チョコレートは苦かったんです!
カカオ100%のチョコレートを召し上がったことがある方ならお分かりですよね?
そんな苦い物を、なぜスペイン人は持ち帰ったのか?
それは、砂糖の存在を知っていたから!
こうして、薬のように苦いだけのチョコレートが海を渡り、ヨーロッパで砂糖と運命的な出会いを果たすことになります!
スペインへと渡ったチョコレートはフランスへと伝えられます。
スペインハプスブルク家からフランスブルボン王朝へ2代に渡って婚姻関係が結ばれるのですが、とりわけ太陽王と言われたルイ14世に嫁いだ王女「マリア・テレサ」の働きが大きかったようです。
彼女は大のチョコレート好きで、婚姻の際、チョコレートを作る道具一式と専用の召使いを連れて嫁いで行きました。
これにより、フランス王宮にチョコレートを飲む習慣が生まれることになります。
(似たような話は、紅茶(お茶)の場合にもありますね!それは、また別の機会にでも♪)
当時の貴族とチョコレートの在り方を知るのにとっても良い小説があります。
英国の作家、ディケンズの「二都物語」です。
これはフランス革命前のパリとロンドンが舞台となっているのですが、その中にフランスの侯爵が「着飾った4人の従者にかしずかれ、朝一杯のショコラショーを飲む」場面の描写があります。
「まず、一人がショコラティエールをうやうやしく運び込むと、もう一人が泡立て棒でショコラティエールの中をかき混ぜ泡立てます。次の一人がナフキンをうやうやしく差し出し、ようやく最後の一人がカップに注ぐ」
これだけで当時の貴族の権力、そして優雅な暮らしが想像できます。
そして、1杯のショコラショーの大切さも。
でも、歴史が示すように、この後フランス革命が起き、貴族の生活も一変!
そして、チョコレートも貴族階級を中心とした旧体制のシンボル的な存在となり、すたれてしまいます。
今のようにフランスがチョコレートの国として復活するのは、19世紀の技術革新(飲むチョコレートから食べるチョコレートへと変化)まで待つことになります・・・
このようにチョコレートは貴族の朝食用として飲まれることが多かったので、カップも数を揃える必要がなく(自分用だけでOK!)凝ったデザインのエレガントな物が多かったんです。
持っていないので、お見せできなくて残念ですが・・・(涙)
「ショコラティエール」とはショコラショー専用のポットのこと。
様々なタイプの物がありますが、二都物語に描かれているように、ポットの蓋の中央にチョコレートを混ぜるための泡立て棒がついている物などあります。
これですこれ♪
専用のカップは「トランブルーズ」と呼ばれる、両サイドに取っ手がついた物で(カップの左右に持ち手がある)やはり、どれも優美です~。
昔はキッチンからお部屋までが遠いので、冷めないように蓋付が多いのですが、毒を盛られるといけないので、ほとんど目の前でカップに注ぎ、銀のスプーンでかき混ぜました。(銀は毒に反応するので)
蓋の上に付いている花やフルーツは、季節で変えて楽しんだり、好みの形、絵付け、デザインで作っていたので、色々な形のカップがあるんですねー。
あのマリーアントワネットも大のチョコレート好きで、ルイ16世との婚礼の際には、母国オーストリアからショコラティエを同行させたほど。
大好きな真珠や矢車菊で、ショコラショーの食器を作っていたようです。
そんな優美なショコラショーは、優雅にいただきたいものですが、かしずいて淹れてくれる人もいませんので、現代版「簡単ショコラショー」の淹れ方をご紹介しますね!
ね!とっても簡単でしょ?
チョコレートはクーベルチュールチョコレートがそりゃあ美味しいですが、板チョコなどでも大丈夫!
もっと濃厚にしたければ、お水は加えず、牛乳100%にしてもいいですよ。
お好みでホイップした生クリームをトッピングして、ココアパウダーを振ったり、シナモンパウダー振ったり、ホイップクリームの上にチョコレートを刻んだ物をトッピングしたりと、色々アレンジできます。
チョコレートの量もお好みで加減して、ご自分の美味しい1杯を見つけて下さいね。
まだまだ寒い日が続くこの季節。
1杯のショコラショーで温まって下さいね。
2014年2月12日
二子玉川在住。日本紅茶協会認定ティーインストラクター。駅前のショッピングセンターの地下によく出没。美味しい物はないかとキョロキョロするのが趣味♪自宅で小人数制の「紅茶と料理」の教室を開催。オットとワンコの3人暮らし。