梅雨にはいってからというもの、やたら体が重く眠くて仕方がない。
ジメジメとした気候のせいなのか、どうも身も心もシャキッとしない。
あー、早くカラッとした夏になって欲しいものだ。
さて、梅雨にはいる少し前だっただろうか。
ニコビ鬼編集長F氏(以下、鬼)から「紹介したい奴がいる」と連絡を貰ったのは。
後日、鬼が指定する昭和の香り残る喫茶店に行くと、鬼と“紹介したい奴”が待っていた。
その“紹介したい奴”とは、最近ニコビでコラムを始めた中上らじめ氏だった。
まずは、互いに軽く挨拶。
シャイな雰囲気、伏し目がちだがメガネの奥の眼光が鋭い印象をらじめ氏に持った。
初対面の微妙な空気が流れる中、一人やたらテンションの高い鬼が口火を切る。
鬼「彼に男の目から見た二子玉川をテーマに、コラムを書いてもらおうと思うんだよね」
私「へー」
ら「……」
鬼「すがわらさん、コラムのタイトル考えてよ」
私「え、今?」
鬼「今」
ら「……」
鬼「何かない?」
私「うーん“男の二子玉川”とか?」
ら「……」
鬼「“男の二子玉川”うん、いいんじゃない」
私「直球で分かりやすいかな、と」
ら「……」
鬼「お前、さっきから黙っているけど、どうなの?」
ら「俺、知らないからさ、二子玉川」
私「えっ?」
私「二子玉川に縁の無い方なんですか?」
鬼「20年前ぐらいにナムコ・ワンダーエッグに行ったぐらいだとか」
ら「……」
鬼「お前プロだし、楽勝だろ?」
ら「まーな、2000本はいけるかな。ただし、二子玉川をバッサリ切っちゃうよ。宣戦布告だよ」
私「え、誰に宣戦布告するんですか?」
などと、こんなやり取りがあり、らじめ氏のコラムが始まったのだった。
当初2000本と息巻いていたらじめ氏だが、コンスタントに掲載されるコラムを読んでいると、2000本もあながちウソじゃなさそうに思えてきた。
今、これを書いていて、初めてらじめ氏を紹介された日の事を思い出す。
「同じニオイがしますね」と、らじめ氏に言われたのだ。
その時は「はぁ……」と受け流しただけだったが、今思えばシャイな彼なりの仲間意識の芽生えだったのかもしれない。
どんな同じニオイがあるのか私には皆目見当がつかないが、らじめ氏には何か匂ったのだろう。
鬼からは「らじめと絡んで」とザックリした要求を受けているので(鬼も同じニオイを嗅ぎ取ったのだろうか?)、らじめさん、今後ともよろしくお願いします……ということで。
ビールと焼きそばをこよなく愛す、アラフォー独女。特技は思ったことがすぐ顔に出る。恋愛はご無沙汰。日々の些細な出来事に幸せを感じながら、なんとか、前向いて生きてます。