(文:梅澤喜直さん)
こんにちは、タイ古式マッサージ師の梅澤です。
皆さんはタイマッサージについてどんなイメージをお持ちですか?
アクロバティックなやつ? ゴリゴリなやつ? それともバキバキなやつ?
なんか痛い目にあいそう!
そのようなイメージをお持ちの方も多いみたいですね……。
その背景には「押されて痛いところは悪い部分、ゆえに痛かろうがバキバキやる、その痛みをのり越えたら改善する」という考えがあります。
そこで施術者は、グリグリ、ゴリゴリ、バキバキ!
受け手は「痛ッ!」と叫びたいところをグッと我慢!
最近の日本では、ゴリゴリバキバキ系がうけないということもあって、もっと優しく、もっと繊細に、受け手の身体をいたわるという傾向にあります。
本場タイでも繊細で優しい施術を信条としている方もいるようですが、まだまだ数は少ないようです。
それでは、タイ古式マッサージの特徴を大きく2つご紹介します。
タイ伝統医学ではエネルギーを流れる経路を「セン」と呼んでいます。
体内に流れる川のようなイメージでしょうか。
この「セン」は実に72.000本あると考えられています。
このなかで主要の10本に刺激を与えることでエネルギーである「プラーナ」の流れが良くなり、自然治癒力が上がり健康な身体になると考えられています。
ではどんなやり方でセンに刺激を与えるかというと、狭い範囲で効果の出る「指圧」、広い範囲を揉みほぐす「揉捏(じゅうねつ)」、テンポよく叩く「叩打」など色々ありますが、一番特徴的なのがストレッチです。
他のジャンルの施術でも使われますが、手技の多さと使い方が違います。
単に引っ張るだけではなく、相手の体重や重力、テコの原理を利用したりと数多くの技があります。
科学的にストレッチの有効性が証明されたのは1970年代のアメリカだと言われています。
ストレッチのメリットは実に多くあります。
また、身体バランスや身体感覚が良くなり、理想の姿勢に近づきます。
理想に姿勢でいられる時間が長いほど、身体に対する負荷が低くなるので、より健康で快適に日常生活が行えます。
期待される効果は幅広く、腰痛、肩こり、頭痛、眼精疲労、手足の浮腫み(むくみ)や倦怠感、ストレス緩和、ホルモンバランス調整、リンパの活性化など。
歪みの矯正、内臓機能の向上なども含め、全身に波及するので免疫力も上がり美肌・ダイエット効果も期待できます。
最後に、タイマッサージの起源についてちょっとだけお話します。
タイマッサージの起源は、今から2500年ほど前、インドより仏教とともに入ってきたと考えられています。
当時仏陀を中心に形成されていた仏教僧集団の筆頭医をしていた「シバゴ」が創始者と考えられており、現在でもシバゴを「医学の父」として敬意を表し、マッサージをする前に合掌をし祈りを捧げます。
タイマッサージは、「ワット」と呼ばれるお寺で医学の一環として進化し広められました。
「ワット」というと、かの有名な「ワットポー」も代表的なお寺の一つです。
当時は蜂蜜やバターなどを用いて腹痛や踵のひび割れなどを治療していました。
書物に治療法として「関節の痛みなどをオイルを使用してマッサージする」と記されています。
これがタイマッサージの起源とされています。
よくタイ古式マッサージは「二人でやるヨガ」「世界一気持ちいいマッサージ」と言われています。
これを機に、ぜひ一度、タイマッサージを味わってみてはいかがですか?
合掌
「みんなのコラム」では、皆さまからのコラムをお待ちしております。
メール本文に「氏名」「掲載名(ニックネーム等)」「掲載タイトル」「掲載本文」を明記の上、こちらのEメールまでご送信ください。